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山梨県の現在の警報発令伝染性紅斑(富士・東部、甲府市) 

 

YCDC医師からのメッセージ

 定点情報(2025年第22週:5月26日~6月1日)/ その他情報(公表までに把握した情報)

                             (6月5日 山梨大学医学部附属病院 鈴木哲也 医師)

【要約】
・新型コロナウイルス感染症:新規感染者の報告数が少ない状態が続いている。
・百日咳:全国で多数の患者が報告されている。
・伝染性紅斑:富士・東部保健所管内、甲府市で警報レベルが継続。
・特定の感染症が流行しているから対策するのではなく、日常的で一般的な行動として普段から手洗いや咳エチケットを心がけていくことが大切です。

 

〇リスクアセスメント
【新型コロナウイルス感染症】
この週の報告数は定点医療機関あたり1.11 (報告総数39人)、基幹定点医療機関の入院患者数の合計は4人でした。新規感染者の報告数が少ない状態が続いています。

【急性呼吸器感染症】
この週の報告数は定点医療機関あたり34.94でした。前週は38.14であり、大きな変化はありません。

【百日咳】
全国で多数の患者が報告されています。山梨県内では今週の新規届け出件数は6月4日時点で11件、年累計で90件に達しています。

【伝染性紅斑】
先週、富士・東部保健所管内と甲府市で警報レベルを超える数の患者が報告されました。今週も富士・東部保健所管内は定点医療機関あたり2.25、甲府市は4.25であり、依然として警報レベルが続いています。


〇対応
百日咳は激しい咳が長期間続く呼吸器感染症ですが、特に生まれたばかりの新生児や乳児が感染すると重症化し、命に関わることがあります。予防のためのワクチンは生後2か月から接種が可能です(定期接種)。対象の月齢に達した乳児は遅れずにワクチン接種をお願いします。また、生まれたばかりの新生児や乳児の感染を防ぐために、妊娠中に百日咳を含むワクチンを接種する方法もあります(任意接種)。

伝染性紅斑は幼児~小学生くらいの子供に多い感染症で、妊婦が感染するとお腹の中の赤ちゃんにも影響が出ることがあります。風邪と似た症状のあと、頬部(ほっぺた)に赤い発疹が出るのが特徴で、主に飛沫を介して感染します。風邪のような症状が出ているころがもっとも感染力が強いため、「ほっぺたが赤くなっている人との接触を避ける」「自分のほっぺたが赤くなったら咳エチケットをする」のではなく、風邪のような症状があれば咳エチケットを心がけることが大切です。伝染性紅斑だけでなく、百日咳も新型コロナウイルス感染症も、多くの感染症が飛沫を介してヒトからヒトに感染していきます。特定の感染症が流行しているから対策をする、流行していないから対策をしない、のではなく、日常的で一般的な行動として普段から手洗いや咳エチケットを心がけていくことが大切です。


*関連ページ
百日咳 ⇒ 山梨県感染症ポータルサイト / 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構
伝染性紅斑 ⇒ 山梨県感染症ポータルサイト / 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構

 

感染症発生状況

 

今週の感染症発生状況はこちら をご覧ください ! 

 *保健所毎疾患毎(インフルエンザ・コロナ・RSウイルス・感染性胃腸炎など)に今週の状況がご覧になれます。

      2025年6月5日作成

インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症について県内35箇所(2025年14週までは41箇所)の定点医療機関から
報告された患者数及び1医療機関あたりの患者数を集計しました【赤色警報 黄色注意報】。

対象期間:2025年第22週〔2025年5月26日(月曜日)~2025年6月1日(日曜日)〕

      トップページインフルエンザ流行マップ警報・注意報なし                              新型コロナウイルス感染症流行マップ(白)                           

  ◆下記数値は、「初回公表時点での数値」を掲載しています。また、医療機関から報告がなかった場合は定点当たり数値の算出対象から除いています。

インフルエンザ   
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
22週 報告数 19 13 1 - - 5
定当 0.54 1.08 0.17 - - 0.71
21週 報告数 29 16 3 - 1 9
定当 0.83 1.33 0.50 - 0.14 1.29
20週 報告数 31 22 3 1 3 2
定当 0.89 1.83 0.50 0.33 0.43 0.29
19週 報告数 47 15 3 1 7 21
定当 1.34 1.25 0.50 0.33 1.00 3.00
18週 報告数 25 9 1 5 4 6
定当 0.71 0.75 0.17 1.67 0.57 0.86
新型コロナウイルス感染症*
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
22週 報告数 39 14 10 5 4 6
定当 1.11 1.17 1.67 1.67 0.57 0.86
21週 報告数 32 12 4 5 6 5
定当 0.91 1.00 0.67 1.67 0.86 0.71
20週 報告数 35 13 8 3 10 1
定当 1.00 1.08 1.33 1.00 1.43 0.14
19週 報告数 55 24 11 4 8 8
定当 1.57 2.00 1.83 1.33 1.14 1.14
18週 報告数 51 26 2 8 6 9
定当 1.46 2.17 0.33 2.67 0.86 1.29

※15週報告から、定点医療機関数が変更(減少)しています。推移を確認する場合は「定当」(定点あたり患者数)をご参考ください。
*本県独自基準 以下の数値を目安にYCDC医師と協議の上決定(注意報目安:定点あたり10以上、警報目安:定点あたり15以上)

発生動向に関する各種資料 (定点把握対象疾患・全数把握対象疾患の発生状況病原体検出状況などがご覧になれます)

集団感染事例及び学級閉鎖等措置状況(PDF:30KB) ※過去の分はこちら
 
施設から報告のあった事例保健所及び施設種類ごとにご覧になれます。県保健所管内のみの情報です)

  *2024年第36週以降の状況
    新型コロナ措置状況(PDF:61KB)
    インフルエンザ措置状況(PDF:60KB)
    感染性胃腸炎措置状況(PDF:61KB)
  *甲府市の状況は こちら

 

新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症とは、新型コロナウイルスによって起きる感染症です。主に鼻やのど、気管、肺などの臓器(呼吸器)に感染し、インフルエンザや風邪に似た症状を引き起こします。
   *新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」に移行しました。

新型コロナウイルス感染症に関する詳細情報は以下のページをご覧ください。

 

下水サーベイランス

 下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランス(下水疫学調査)は、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標としての活用が期待されています。
 本県では感染状況のトレンドを把握し、感染対策に活用するため、令和5年7月から下水サーベイランス事業を実施しています。

 詳しい情報は こちら

最新・話題のレポート

 ★海外における感染症予防について
  海外には日本で発生していない感染症がたくさんあります。
  海外に渡航される方は、渡航先の状況や滞在中の計画に応じた適切な感染予防を心がけてください。


 〇厚生労働省や国立感染症研究所などが公表する最新・話題のレポート

 〇YCDCレポート

 〇感染症対策グループHP

山梨県で発生している感染症情報

警報

伝染性紅斑(富士・東部保健所、甲府市保健所管内)

注意報

なし